スポンサードリンク
朝は肌に空気が刺さるような冷たさで、ようやく冬が来たのだなと感じています。
さて、そろそろオイル交換しなきゃ!と考えている方も、アレ?いつオイル交換したっけ?と思われる方もいるはずです。
また、エンジンオイルはどんな役目をしているのか?
メーカーの指定交換時期で交換したらいいの?と疑問に思われている方も必見!
さらにミスセレクトをして間違ったエンジンオイルを選び、さらにオイル交換を怠ってしまうと、
最悪、エンジン故障してしまうことがあります。
そして走行距離10万キロオーバーからのエンジン性能劣化を改善する方法など
今回はオイルについて徹底解説していきエンジンオイルの交換時期や種類、役割、粘度についても語ってきたいと思います。
目次
エンジンオイルの役目
エンジンオイルには清浄分散、冷却作用、潤滑、気密保持、防蝕腐防これらの5コの役割があります。
・清浄作用
エンジンが稼動すると鉄粉や化合物などのスラッジが発生します。これらがエンジンに溜まってしまうと故障の原因や寿命を短くする原因となるのでなるべく予防するため、エンジンオイルで特定の場所に溜まらない様に汚れを取りこんでエンジン内部のお掃除をしています。エンジンオイルに取り込まれた大きなスラッジやゴミなどはエンジンオイルフィルター(オイルエレメント)でろ過され取り除かれます。
意外かもしれませんが、吸気によって燃焼室に入り込んだ粉塵を洗浄する役割もありエアーフィルターを通して吸気していますが、フィルターよりも細かい物質は通り抜けてしまいます、粉塵の中には硬質のものもあるため、それらを洗い流し粉塵と金属との摩擦を低減させる作用があるのです。
・冷却作用
エンジンオイルはエンジン内各部を巡る際にエンジンで発生した熱を奪いエンジンを冷却しています。
エンジンオイルによる冷却は空冷エンジンや水冷エンジンでもかなり重要なのです。
何故 重要なのかと言いますと実は 水冷エンジンでも冷却できない箇所があります!
じゃあどうやって冷却するの?といいますとエンジンオイルの油路を使いオイルの冷却作用で冷却しているのです。
そういえば、ターボ車では、高速走行直後はしばらくの間エンジンを止めないで下さい という注意書きありますよね?
コアな話ですがフローティング軸受けという方式は油膜でタービンの軸を保持するタイプです。このタイプのターボは冷却もエンジンオイルに頼っているため、タービンシャフトへのオイル供給が停止されると、金属同士が直接摩擦することで焼きついてしまい破損してしまうのです。そのため高速走行後はアイドリングをしてしばらくエンジンを止めないでくださいと注意書きがあるわけです。
尚、軸受けにボールベアリング等を使っているターボを除く。
-
潤滑
レシプロエンジン内部ではシリンダー内をピストンが高速で上下運動をしている他にも、クランクメタルや、カムシャフトなど、金属同士が擦れあっています。
この時に、磨耗や発熱が発生します、これをオイルで摩擦を軽減してエンジン内各部を潤滑し保護しているのです。
-
気密保持
ピストンとシリンダーは、完全に密着してはいません、何故ならエンジン始動時の熱膨張に対応してピストン運動が出来るように隙間(ピストンクリアランス)があります。
エンジンオイルはこの隙間に入り込み油膜を形成して潤滑と気密性を保持しています。
豆知識
このピストンクリアランスが大きいとオイル喰い(オイル上がり)の原因にもなってしまいます。しかし、レスポンスは良くなる傾向にあるので、敢えてオイルクリアランスを少し大きめに取って エンジンをオーバーホールされるショップもあります。
ただ、あまりにもクリアランスが大きいと出力低下にもつながり、ブローバイガスの増量になるの注意が必要です。
-
防蝕腐防
エンジンが始動し燃料が燃えると実は水分を発生します、エンジン内外の気温差から生じる結露によりエンジン内部で水分が発生することがあり
水はエンジンの敵です!部品を錆させ、腐食の原因にもなります。
さらに水だけではありません。燃焼ガス、ブローバイガス、エンジンオイルの劣化により発生する化合物もエンジンを痛め寿命を縮める原因となります。これらの予防も実はエンジンオイルによって予防をしています!
エンジンオイルを放置するとこの機能が低下していくのでちゃんとオイル管理をしましょう!
エンジンオイルの種類
4ストロークガソリンエンジン用
私たちにとって一番馴染み深い一般的なエンジンオイルです、
エンジンの使用経過にともなって性能が低下し一定期間ごとに交換するのが一般的ですよね!
またオイルが燃焼しやすいロータリーエンジンには専用のオイルが存在しています。
2ストロークエンジン用
もはや、これはマニア向けの2ストですね、燃料と一緒に混合され燃えてしまうため、
燃料と最初から混合するタイプと専用タンクに充填するタイプがあります。
オイル交換がメンドクサイという方にはオイルを継ぎ足すだけなのでオススメのエンジンです、当然オイルも一緒に燃えるため、煙モクモクですが(笑)
このエンジンオイルの特徴はガソリンと混ざりやすさも重視されています。
ディーゼルエンジン用、
高圧縮なディーゼルエンジンに対応した専用エンジンオイルです。
スポンサードリンク
一定期間ごとに交換するのは当然ですが、最近主流となってきたクリーンディーゼル用は特殊なオイルのため、ガソリン車とは共用できません。
クリーンデーゼル用ではないデーゼルオイルを使っても問題はありませんが、オイルが同じ番手でも固く吹け上がりが悪くなったりします。また、高回転では油膜切れを起こす可能性もあるためオススメできません。
ベースオイル(基油)の種類
鉱物油
原料の原油は混合原油(中近東の産地がごっちゃ混ぜ)が一般的
生産方法は石油を精製する過程で生成されます。
特徴として熱による劣化が合成油にくらべて早いです。
でも、一部の業者が特別性能を持っているような広告をしていたりするので注意!
メリットはとにかくコストが安い!安価です!
デメリットは洗浄効果が全合成油にくらべて弱い 熱が入ると全合成油より劣化が早いです。
部分合成油
鉱物油や高度水素分解油(鉱物油の精製油)にPAOやエステル(あるいは水素化分解油)を混合し、品質を高めたものです。
まあ 鉱物油と全合成油のハーフ的なオイルですが・・
コイツが厄介でベースオイルに加える添加用オイルの配合率の表示義務がないため、中身は生産者であるオイルメーカーしか知らないという消費者にはパンドラの箱的存在のオイル。
メリットは高品質な性能を安価に提供できるとされていますが、配合率が不明なので本当なのか真義は不明・・・
化学合成油、全合成油、合成油
エステル系とPAO系に分類されます。
エステル系は鉱油やPAOに比べコストも高く、寿命も短い傾向のためベースとする事は一般的ではなく、部分的な配合を施すことが多い添加材的存在です。
サーキット用に100%エステル系を使用したオイルも存在していますが、短期間での交換サイクルのためコスパは非常に悪いです。
PAO系は工業的には石油から分留したナフサか、天然ガスから得たエチレンを合成し重合することで成分や分子量を一定にしたもので、重合度を調整することで幅広い粘度を比較的自由に作れてしまうのです。鉱油に比べると低温流動性、せん断安定性などに優れ、鉱油に比べ製造コストは高いものの、その他の合成油よりも低コストであり、大量生産が可能な点、鉱油と同様に無極性の炭化水素であり、鉱油からの置き換えも行いやすいなどという点からエンジンオイルにおいて(グループⅢ基油を除き)最も多用される化学合成油です。
メリットは自由にオイルの特性を設計できることです。
また通常の合成油は油温が上がりきってしまうと冷却したくてもなかなか温度が下がりにくいです。
体験談ですが、サーキットで使う事を考えていない全合成油のオイルはオイルクーラーで強制冷却していても120℃から100℃まで温度を冷やすには時間がかなりかかってしまうものです。
注意!!化学合成油表記だけどまったく違うオイル!
グループⅢベース油に注意!
商品目にはVHVI、MCと表記されています。
コイツにPAOをブレンドした物やグループⅢベース油そのものを化学合成油とする事が多いですが全く異なったものですので購入時は注意しましょう!
まあ 量販店に置いてある安価な全合成油は大体コレなのですよ。
植物油
ひまし油が代表的ですね!潤滑性はとても優れていてレース用オイルに使われたりしますが、やっぱり熱に弱いため、特殊用途を除いて一般車では使われていません。
間違っても天ぷら油でコイツを使っちゃダメだぞ!お腹がゆるくなりすぎてトイレから出られなくなる原因になりますよ・・・(^_^;)
余談ではありますが、オイルメーカーで有名なカストロール(Castrol)はエンジンオイルの原料に、ひまし油(Castor Oil)を用いていたことが名前の由来です。
一般ユーザー向けにはFUCHS(フックス)が植物油ベースの生分解性オイルを販売。
フックスは日本ではコアなオイルメーカーですが、実はポルシェカップのサプライヤーをはじめクライスラー BMW、フォルクスワーゲ、オペル、ポルシェ等の欧米の自動車メーカーが指定オイルにしている大手オイルメーカーです。
オイルの粘度
マルチグレード
使用可能温度の範囲が広く、SAE5W-30、SAE10W-30、SAE10W-40のように表示され、シングルグレードに比べ幅広い外気温に対応できて
例えば「5W-40」というオイルがあったとします。Wの前の文字「5W」が低温粘度、そしてWの後ろの「40」は高温粘度と呼んでおります
読み方は、まず前半の数字が小さいほど低温で固まりにくい特性があります。
0Wなら-35℃、5Wは-30℃、10Wは-25℃に対応しています。WはWinter(冬)の略で、10Wよりも5Wのほうがエンジン始動時における負荷が小さく、燃費も良くなります。後半の数字は、高温時の粘度を表していて数字が高いほどオイルが固くなります。
シングルグレード
使用可能な温度の範囲が狭く、季節により使い分けが必要なオイル。SAE20、SAE30、SAE40などと表示されます。
シングルグレードには低温温度の基準がないため、高温粘度の条件のみ必要となります。
さて、事前知識はこのぐらいで!次回の記事で間違ったオイル選びについて書いていきたいと思います。
スポンサードリンク